HOME



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆アルファーシンドローム◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 シンが来てからネットで犬の事、しつけのことに関してたくさん情報を集めた。その中にやたらと
 『アルファーにならないように‥』とか『アルファーになったら 犬だってかわいそう‥』とか書いて
 ある。後に続く文章から考えてみたけど さっぱりわからず調べてみたら「アルファー」とは
 『アルファーシンドローム』という言葉の略で 訳すと「権勢症候群」
 飼い犬が家庭内でもっとも強い権力を持っている状態のことを言うそうだ。その例として 犬が人の
 言うことを聞かず自分の思うままに行動したり、嫌うことをすると唸ったり咬んで人間を脅かす様な
 兆候がある…との事。

 テレビなどで 『玄関のチャイムがなったら うちの犬、鳴いて困ります‥』とか、
 『掃除機にバウバウしちゃって 掃除になりませ〜ん』なんて飼い主からの相談に即解決!
 っていうのはよく見たりするけど、アルファーになったら そんなかわいい事言ってられない。
 犬って 難しいんだな・・・・と思った。

 確かにアルファーになると 自分が一家の長だと思っているから、始終警戒して、みんなを
 守ろうする所もあり逆に犬には すごいストレスがかかるらしい。読んだ雑誌にも
 人間の子供は自立させようと親は努力するけれど、犬は自立させる方がかわいそうなのです…とも
 書いてあったのを見ると 飼い主だけの問題でもなく、犬にとっても不幸な事の様。
 
 色々ネットのQ&Aとかでは 飼い犬に噛まれて 毎日血だらけで 困っています‥という相談者も
 いるのを見て これは大変…と思った。だってそうなったら、私の求める 犬との楽しい生活は
 どうなっちゃうんだろう?楽しいどころじゃないよ?シンは大丈夫?‥と不安になった。

 …という事で なにもかもが最初が肝心‥と私たちは思った。
 まずは服従させることがアルファーにならない第一歩。それにはひっくり返して服従のポーズを
 させる‥とか、噛んだら マズル(口)をつかんで抵抗させない‥とかするといいらしい。
 飼い主に服従している子は これを軽くこなすらしいし…。

 でもシンの場合、来た時は それより ずっと手前の段階。なでなでされる事すら嫌がっていた。
 もちろん 甘噛みもあたり前にあって、遊んでほしくて歯をわざと手に当てたり、
 逆に遊んであげようとすると今度は手を噛んで 離れて、噛んで 離れてまるで獲物に向かって
 攻撃しているかの様な行動。子犬って かわいくて ホワホワしていて 甘えん坊で…そんな姿を
 想像していたのに シンの姿を見ると不安になった。今考えると シン自体はなーーーにも 
 そんな事思っていなかったんだろうけど…私たちの頭にはただ、ただ 服従してないんだ‥としか
 映らなかった…。

 特に柴犬飼い主に従順‥というイメージがあった。だからこそ 柴を選んだ…というのもあった。
 なのにシンは全然じゃない!シンは そういう気質ではなく 常に上に上に立とうとする性格の子
 なのかな?だめだよ〜これじゃ… アルファになっちゃう・・・・。今考えると 
 何、言っちゃってるんだか…と自分でも笑ってしまうけど 本当にその時はそう思ったのだ。

 …で、当然 色々本を読んだり、ネットを見て書いてある通りに シンが噛んで来た時に力ずくで
 押さえ込みしたり、大きな声で怒ったり、マズルをつかんでみたり、嫌がるのをむりやりひっくり
 返しておなかをなでなでしたり‥。はるかに 今より小さい体で 更にはとってもかわいい時期の
 シンに そんな事をしていたんだと‥ 思い出すだけでもゾッとする。

 でも、そんなことをしても シンはますます反抗的になるし、当の私たちが なんだかシンが
 かわいそうという気持ちと そういう行動をした後 自己嫌悪の気持ちでいっぱいになり
 それらの行動は全部 1〜2回でやめた‥。

 きっと、今の時点で 新しい子犬を迎えれば なんて事ない。むちゃくちゃかわいがるだけ
 かわいがって 自然に色々覚えるような時期まで待って、それから最低限のしつけに入っただろう。
 でも あのときは なにもかもが初めてで 知識ばかりが先行して とにかく犬は反抗的に育ったら
 大変なことになる。そういう頭があったから 次から次ぎへと 情報だけを仕入れていた。
 
 でも いくらしつけの本を見ても同じような事しか書いていない。…で、ダンナとたくさん話した結果。
 柴犬は昔からおじいちゃんとか おばあちゃんが飼っていても 穏やかにお利口に飼われて
 いるんだし、こんなにペットブームで多くの人が犬を飼っているけど みーーんなかわいがられて 
 飼い主にはむかっている子なんて そうそう いないじゃない?
 (私の知る限りではアルファーの子はいなかったし)

 だから本ばっかり、しつけ情報ばっかりに頼らず、我が家は我が家のやり方でいってみようよ!と
 いう事になった。

 「我が家のやり方」につづく…。
  
2003年 4月 シン生後3ヶ月
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






HOME